
治療
Treatment
治療効果の評価
増悪の頻度や重症度、肺機能を定期的に評価し、
患者の病状に応じて治療を見直します
気管支拡張症の治療効果の評価
気管支拡張症の増悪は自然経過中に発現する重大なイベントであり、頻回な増悪は予後を悪化させるため、増悪は治療を見直す重要な要素となります1,2,3)。
気管支拡張症の増悪について、これまでにさまざまな定義が提案されてきましたが、2017年に専門家からなるワーキンググループで臨床試験のアウトカムとしてコンセンサスを得られた定義は、表1のとおりです4)。
肺機能検査は、疾患進行のモニタリングに有用であり、英国胸部学会のガイドラインでは年に1回の実施が推奨されています(表2)1,5)。
米国のレジストリ研究では、気管支拡張症患者の約50%に閉塞性障害が認められることが報告されています6)。また、感染症への罹患を繰り返したり、びまん性末梢気道閉塞が進行したりすることで、拘束性障害に至る可能性があります(表2)7)。そのため、肺機能を定期的に検査し、早期に対処することが重要です。
表1:臨床試験における気管支拡張症の増悪の定義(コンセンサス)
以下の症状のうち3つ以上の悪化が48時間以上持続し、医師が治療の変更が必要と判断した場合
-
咳嗽
-
喀痰の量および/または粘稠度
-
膿性喀痰
-
呼吸困難および/または運動耐容能
-
疲労および/または倦怠感
-
喀血
Hill AT, et al. Eur Respir J. 2017; 49(6): 1700051.より作表
表2:気管支拡張症治療における肺機能検査の意義
-
肺機能評価の重要性
-
-
成人気管支拡張症患者を対象とした米国のレジストリ研究において、気管支拡張症の51%の症例で閉塞性障害を認め、20%の症例で拘束性障害を認めたとの報告がある6)
-
FEV1は、気管支拡張症の重症度評価指標であるBSIやFACEDスコアの項目に含まれる
-
-
閉塞性障害を疑う所見
-
-
1秒率の低下、フローボリューム曲線でのV50/V25の上昇など
-
-
推奨される実施頻度
-
-
年1回(英国胸部学会ガイドライン)4)
-
BSI:Bronchiectasis Severity Index
FACEDスコア:FEV1(F)、年齢(A)、緑膿菌の有無(C)、拡張を認める肺葉数(E)、呼吸困難(D)
森本耕三ほか. 呼吸器ジャーナル. 2024; 72(2): 174-182.
Tokuda H. Jpn Open Respir Med. 2017; 1(3): e00027.より作表
REFERENCES
-
Hill AT, et al. Thorax. 2019; 74(Suppl 1): 1-69.
-
Polverino E, et al. Eur Respir J. 2017; 50(3): 1700629.
-
Choi H, et al. Ann Transl Med. 2023; 11(1): 25. 【利益相反】著者にインスメッドから助成金等を受領した者が含まれる。
-
Hill AT, et al. Eur Respir J. 2017; 49(6): 1700051.
-
森本耕三ほか. 呼吸器ジャーナル. 2024; 72(2): 174-182.
-
Aksamit TR, et al. Chest. 2017; 151(5): 982-992. 【利益相反】著者にインスメッドから助成金等を受領した者が含まれる。
-
Tokuda H. Jpn Open Respir Med. 2017; 1(3): e00027.