疾患概要

Disease overview

予後

気管支拡張症の増悪が肺機能低下や生存期間と
いった予後に関わることが示唆されています

気管支拡張症の予後

気管支拡張症患者では、経時的に肺機能が低下するといわれています。
スペインのレジストリ研究によると、気管支拡張症患者のFEV1は年間31.6mL、%FEV1(予測値)は年間0.98%減少しました1)。また、%FEV1の年間減少率は、重度の増悪の既往がない患者よりも重度の増悪の既往がある患者の方が大きいことが示されました(図1)1)

米国の研究では気管支拡張症患者の全生存率について、増悪回数別の比較で有意差を認め(図2)、増悪の既往が生存期間に関わることが示唆されています2)

このように、気管支拡張症は経過とともに肺機能が低下し、増悪回数が多いほど予後不良となる疾患であると考えられます。

図1:重度の増悪の既往の有無別のFEV1の推移(海外データ)

Reprinted from Clinical Microbiology and Infection, 27, Martinez-Garcia MA et al, Pseudomonas aeruginosa and lung function decline in patients with bronchiectasis, 428-434, Copyright(2024), with permission from Elsevier.

研究概要:非嚢胞性線維症気管支拡張症患者のFEV1の推移を分析しFEV1に関連する因子を検討することを目的として、スペインの43施設で2015年2月~2019年2月に気管支拡張症と診断された18歳以上の患者849例を対象に、FEV1の測定結果を経時的に調査し、関連因子について分析した。
Limitation:軽度または中等度の増悪を判断するのは困難であった。肺機能検査を1回しか受けていないために除外された患者の割合が高かった。

Martinez-Garcia MA, et al. Clin Microbiol Infect. 2021; 27(3): 428-434.

図2:増悪回数別の全生存率(海外データ)

Feliciano J et al, Survival Outcomes in US Medicare Patients with Non‑Cystic Fibrosis Bronchiectasis by Rate of Baseline Exacerbations, Pulmonary Therapy, Copyright(2024), Springer Nature(https://link.springer.com/journal/41030

研究概要:ベースラインの増悪回数別に非嚢胞性線維症気管支拡張症の臨床的特徴と生存率を評価することを目的として、2014年1月~2020年12月に非嚢胞性線維症気管支拡張症の診断を受けMedicare Fee‑for‑Serviceデータベースに登録された患者92,529例を対象とし、ベースラインの増悪回数(0回、1回、2回以上)別に、追跡期間中の全死因死亡率を評価し、死亡までの期間をKaplan-Meier解析により推定した。
Limitation:疾患の重症度を直接測定することができなかった、メディケア保険に加入している患者に限定されている、など

Feliciano J, et al. Pulm Ther. 2024; 10(4): 439-450. 【利益相反】本研究はインスメッドから資金提供を受けて実施された。著者に同社の社員が含まれる。

REFERENCES

  • Martinez-Garcia MA, et al. Clin Microbiol Infect. 2021; 27(3): 428-434.

  • Feliciano J, et al. Pulm Ther. 2024; 10(4): 439-450.【利益相反】本研究はインスメッドから資金提供を受けて実施された。著者に同社の社員が含まれる。